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“研修生の今”を追う

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− 第5回−〈大阪府豊能町〉

【森下未来さんの挑戦】

《はじめに》

読者の皆さんこんにちは。第5回目となる当コラムでは、2022年度の大阪府豊能町の研修への参加後同町に移住し、夢だった自分の畑を持ち、テーマ実現に奮闘する森下未来さんの活動を追いました。森下さんからいただいたインタビューの各回答やアドバイスには、移住、就農を考えている読者の皆様へお伝えしたい重要なポイントが多数あります。どうぞご参考ください。

読者の皆さんこんにちは。第5回目となる当コラムでは、2022年度の大阪府豊能町の研修への参加後同町に移住し、夢だった自分の畑を持ち、テーマ実現に奮闘する森下未来さんの活動を追いました。森下さんからいただいたインタビューの各回答やアドバイスには、移住、就農を考えている読者の皆様へお伝えしたい重要なポイントが多数あります。どうぞご参考ください。

森下未来さんをご紹介します

森下さんは、大阪府出身。大学で田舎の地域活性化を学んだ際に農と触れ合い、取れたての野菜のおいしさに衝撃を受け、農業に可能性を感じて自分の畑を持つのが夢となりました。“理想の田舎暮らしの実現をサポートし、人と人をつなげる場所になる”ことをテーマに「農や田舎暮らしに興味がある人を農業に巻き込み、健康と収入をみんなが得られるような持続可能なビジネスを展開し、地域のオーガニック自給率を上げたい」と研修後、豊能町に移住し就農しました。豊能町との縁は、農ライファーズ様主催の同町での研修と町主催の「とよの就農支援塾」に参加したことで生まれました。
森下さんの農園で(左から4人目が森下さん:森下さん提供)
森下さんの農園で(左から4人目が森下さん:森下さん提供)

森下未来さんをご紹介します

森下さんは、大阪府出身。大学で田舎の地域活性化を学んだ際に農と触れ合い、取れたての野菜のおいしさに衝撃を受け、農業に可能性を感じて自分の畑を持つのが夢となりました。“理想の田舎暮らしの実現をサポートし、人と人をつなげる場所になる”ことをテーマに「農や田舎暮らしに興味がある人を農業に巻き込み、健康と収入をみんなが得られるような持続可能なビジネスを展開し、地域のオーガニック自給率を上げたい」と研修後、豊能町に移住し就農しました。豊能町との縁は、農ライファーズ様主催の同町での研修と町主催の「とよの就農支援塾」に参加したことで生まれました。
森下さんの農園で(左から4人目が森下さん:森下さん提供)
森下さんの農園で(左から4人目が森下さん:森下さん提供)

森下さんへのインタビュー

森下さんに移住後の取り組みや活動、移住する人へのアドバイスを伺いました。

Q1〉豊能町の研修後、どのような取り組みをされていましたか?

豊能町へ移住し、1.7反の畑を借り、キッチンカー事業を開始しました。 多品目栽培に取り組んでおり、現在30種以上の野菜を育てています。最近は大根やカブなどの秋冬野菜の播種を行いました。キッチンカーでは米粉のおやつとオーガニックな野菜などを販売し、豊能町産の商品をたくさんの人に広める活動をしています。農園開放日や農作業日で畑を開放し、たくさんの人が農を楽しみに来られています。
森下さんのキッチンカー(森下さん提供)
森下さんのキッチンカー(森下さん提供)

Q2〉現在どのような活動をしていますか?

キッチンカー事業や農業体験・援農、とよのサイダー・豊能米粉など豊能町産の商品開発、来春から開催する農業塾(「畑のがっこう」)などに取り組んでいます。農業塾では、有機栽培から加工販売まで6次産業が実践的に学べる塾を開催します。マルシェやキッチンカーでの実践販売や農福連携事業の体験なども用意しています。

Q3〉今後の展開や抱負、希望などを教えてください。

もっとたくさんの人が気軽に農業をはじめられる場所づくりをしたいです。農家へのハードルを下げ、自身がロールモデルとなり新規就農者の受け入れ体制を整えています。

Q4〉自分が移住、就農した際に一番大変だったことは?予想していなかった課題は?

―自分が移住、就農した際に一番大変だったことは

まず、家や土地、畑探しが大変でした。実践している先輩も少なく、自分自身やりたいことはたくさんありますが、田舎の場所を気軽に使うということができず、なかなか始められないのが現状です。課題解決のためにも、気軽に農業が始められていつでも先輩に聞ける環境を作りたいと思いました。

―予想していなかった課題

移住支援や就農支援など役場関係の補助は確実に使えるのかどうか、担当者としっかり話をしておく必要があるという点です。私が使おうと思っていた就農補助金が使えなかったりするなど、実際に計画外のことが起こっています。新しいことを始めようとする後輩たちのためにも、新規就農で安心して稼げる方法は今も模索中です。

Q5〉今後就農される方へのアドバイスをお願いします。

いろいろな人に会っていろいろな生き方を聞くこと!です。自分の目指す生き方ではなくてもその土地の状況や情報をキャッチできます。応援してくれる人も見つかりますよ。
森下さん(中:森下さん提供)
森下さん(中:森下さん提供)

森下さんへのインタビュー

森下さんに移住後の取り組みや活動、移住する人へのアドバイスを伺いました。

Q1〉豊能町の研修後、どのような取り組みをされていましたか?

豊能町へ移住し、1.7反の畑を借り、キッチンカー事業を開始しました。 多品目栽培に取り組んでおり、現在30種以上の野菜を育てています。最近は大根やカブなどの秋冬野菜の播種を行いました。キッチンカーでは米粉のおやつとオーガニックな野菜などを販売し、豊能町産の商品をたくさんの人に広める活動をしています。農園開放日や農作業日で畑を開放し、たくさんの人が農を楽しみに来られています。
森下さんのキッチンカー(森下さん提供)
森下さんのキッチンカー(森下さん提供)

Q2〉現在どのような活動をしていますか?

キッチンカー事業や農業体験・援農、とよのサイダー・豊能米粉など豊能町産の商品開発、来春から開催する農業塾(「畑のがっこう」)などに取り組んでいます。農業塾では、有機栽培から加工販売まで6次産業が実践的に学べる塾を開催します。マルシェやキッチンカーでの実践販売や農福連携事業の体験なども用意しています。

Q3〉今後の展開や抱負、希望などを教えてください。

もっとたくさんの人が気軽に農業をはじめられる場所づくりをしたいです。農家へのハードルを下げ、自身がロールモデルとなり新規就農者の受け入れ体制を整えています。

Q4〉自分が移住、就農した際に一番大変だったことは?予想していなかった課題は?

―自分が移住、就農した際に一番大変だったことは

まず、家や土地、畑探しが大変でした。実践している先輩も少なく、自分自身やりたいことはたくさんありますが、田舎の場所を気軽に使うということができず、なかなか始められないのが現状です。課題解決のためにも、気軽に農業が始められていつでも先輩に聞ける環境を作りたいと思いました。

―予想していなかった課題

移住支援や就農支援など役場関係の補助は確実に使えるのかどうか、担当者としっかり話をしておく必要があるという点です。私が使おうと思っていた就農補助金が使えなかったりするなど、実際に計画外のことが起こっています。新しいことを始めようとする後輩たちのためにも、新規就農で安心して稼げる方法は今も模索中です。

Q5〉今後就農される方へのアドバイスをお願いします。

いろいろな人に会っていろいろな生き方を聞くこと!です。自分の目指す生き方ではなくてもその土地の状況や情報をキャッチできます。応援してくれる人も見つかりますよ。
森下さん(中:森下さん提供)
森下さん(中:森下さん提供)

回答から 多彩な視点と問題意識

お聞きした内容から、森下さんは実に多くの視点と問題意識を持って活動していることが伺えます。以下はそのポイントです。

・【農家としての活動】 夢だった自分の畑を持ち、有機栽培で多品目の野菜を栽培
・【6次産業を実践】  自分の畑の生産物を加工し、キッチンカーで販売
・【地域の付加価値向上】豊能町地産を活用した新しい商品を開発
・【地域貢献】     自分の畑を開放し、地域の人に農を体験してもらう
・【教育】       農業塾を開校し、就農や六次産業の実際を伝授
・【就農支援】     自分をロールモデルとし、新規就農者の受け入れを支援

自分が関係人口の1人として豊能町に移住、就農するだけでなく、豊能町の物産の開発を通じた町の付加価値向上や6次産業の展開を伝授する塾の運営、就農支援など社会的な貢献も積極的に展開しており、高い社会性を感じます。

編集長の目  “衝撃を受けた体験” 農家の魅力 行政の積極的な展開

森下さんが野菜づくりにのめり込む起点となったのは、“取れたての野菜のおいしさに衝撃を受けた体験”。森下さんはその体験を「大学時代の地域おこし活動で食べた新鮮なナスが食感から味まで本物のリンゴのように甘くシャキシャキしていて感動しました」と話しています。それが動機となり、“農業に可能性を感じて自分の畑を持つのが夢”という目標が生まれた。 森下さんが持つ高い社会性も、その体験から「今まで本当の野菜の味やおいしさを知らなかったことに気付き、新鮮で安全な野菜を多くの人に広めたいと思うようになりました。キッチンカーでマーケット出店などをしており、地元の方々と直接触れ合う機会が多く、応援いただいている分、何か楽しい場所作りで還元できればなと思っております」との思いが背景にありました。 また、「“農業”と“食”は、人が生きるための原点であること。また、生産・加工・販売と1人でも小さく色々なビジネスができるという点が、農家のやりがいであり面白いところです」と農家の魅力について語っています。 移住、就農を考えている読者におかれては、イベントや研修などできるだけ多くの機会を捉え現場に足を向け、農作業や生産物に直接触れることをお勧めします。 行政側に目を向けると、森下さんの同町での就農は、町主催の「とよの就農支援塾」が契機となっており、行政側の積極的な展開が森下さんのような有為な人材の獲得につながったといえます。こちらも関係人口の大きな拡大のポイントと言えるでしょう。

回答から 多彩な視点と問題意識

お聞きした内容から、森下さんは実に多くの視点と問題意識を持って活動していることが伺えます。以下はそのポイントです。

・【農家としての活動】 夢だった自分の畑を持ち、有機栽培で多品目の野菜を栽培
・【6次産業を実践】  自分の畑の生産物を加工し、キッチンカーで販売
・【地域の付加価値向上】豊能町地産を活用した新しい商品を開発
・【地域貢献】     自分の畑を開放し、地域の人に農を体験してもらう
・【教育】       農業塾を開校し、就農や六次産業の実際を伝授
・【就農支援】     自分をロールモデルとし、新規就農者の受け入れを支援

自分が関係人口の1人として豊能町に移住、就農するだけでなく、豊能町の物産の開発を通じた町の付加価値向上や6次産業の展開を伝授する塾の運営、就農支援など社会的な貢献も積極的に展開しており、高い社会性を感じます。

編集長の目

“衝撃を受けた体験”

農家の魅力

行政の積極的な展開

森下さんが野菜づくりにのめり込む起点となったのは、“取れたての野菜のおいしさに衝撃を受けた体験”。森下さんはその体験を「大学時代の地域おこし活動で食べた新鮮なナスが食感から味まで本物のリンゴのように甘くシャキシャキしていて感動しました」と話しています。それが動機となり、“農業に可能性を感じて自分の畑を持つのが夢”という目標が生まれた。 森下さんが持つ高い社会性も、その体験から「今まで本当の野菜の味やおいしさを知らなかったことに気付き、新鮮で安全な野菜を多くの人に広めたいと思うようになりました。キッチンカーでマーケット出店などをしており、地元の方々と直接触れ合う機会が多く、応援いただいている分、何か楽しい場所作りで還元できればなと思っております」との思いが背景にありました。 また、「“農業”と“食”は、人が生きるための原点であること。また、生産・加工・販売と1人でも小さく色々なビジネスができるという点が、農家のやりがいであり面白いところです」と農家の魅力について語っています。 移住、就農を考えている読者におかれては、イベントや研修などできるだけ多くの機会を捉え現場に足を向け、農作業や生産物に直接触れることをお勧めします。 行政側に目を向けると、森下さんの同町での就農は、町主催の「とよの就農支援塾」が契機となっており、行政側の積極的な展開が森下さんのような有為な人材の獲得につながったといえます。こちらも関係人口の大きな拡大のポイントと言えるでしょう。

最後に

森下さんは活動をインスタグラムで積極的に情報発信しています。こちらも是非参考にしてください。https://www.instagram.com/yaoyam_toyono/
森下さんのますますのご活躍を期待しております。

(編集長)

最後に

森下さんは活動をインスタグラムで積極的に情報発信しています。こちらも是非参考にしてください。https://www.instagram.com/yaoyam_toyono/
森下さんのますますのご活躍を期待しております。

(編集長)