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“研修生の今”を追う

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− 第6回−〈佐賀県唐津市厳木町〉

【加藤友貴さんの提言】

《はじめに》

 読者の皆さまこんにちは。第6回目となる当コラムでは、サービスグラント様主催の研修(2023〈令和5〉年8月~11月)に参加し、佐賀県唐津市厳木町の集落支援員の横道亨さんのオファーによる同町の魅力や新たな観光資源を情報発信する手伝いを行った加藤友貴さんの活動を追いました。
 読者の皆さまこんにちは。第6回目となる当コラムでは、サービスグラント様主催の研修(2023〈令和5〉年8月~11月)に参加し、佐賀県唐津市厳木町の集落支援員の横道亨さんのオファーによる同町の魅力や新たな観光資源を情報発信する手伝いを行った加藤友貴さんの活動を追いました。

加藤友貴さんと横道亨さんをご紹介します

 加藤友貴さん(49歳)は東京都在住。広告代理店に勤務しており、今回の研修は自分のスキルがどこまで役に立つか確認したいという思いがあり、研修に参加しました。
 今回の研修の依頼元であり受け入れ先の横道亨さん(35歳)は、4年前に東京から家族で厳木町に移住し、21〈令和3〉年から唐津市厳木市民センターで集落支援員として地域の活性化に奔走しています。横道さんの今回のオファーは、「厳木町には活性化のアイテムがそろっていますが、それを実現するプレーヤーが足りません。私が2年間の集落支援員の活動で見つけた厳木町のお宝(魅力)や白水荘プロジェクト(古民家を活用した新たな観光資源)について最大限お伝えし、1人でも厳木町のファンを獲得できるよう情報発信のお手伝いをお願いしたい」というものです。
厳木町の住民宅で野菜の収穫作業をする加藤さん(加藤さん提供)
厳木町の住民宅で野菜の収穫作業をする加藤さん(加藤さん提供)

成果物の提出と概要

今回の研修では終了3か月後に成果物を提出することが予定されており、加藤さんは計8回のミーテイングと現地研修を含めた2泊3日X2回の現地滞在を通じて収集した厳木町の資源や魅力を整理し、地域のにぎわいを図る提案書を横道さんに提出しました。
 提案書ではまず、横道さんの『すべては地域住民のために』というコンセプトを基にあるべき理想の姿を設定。次に厳木町の現状(人、物、事、場所、体験)を分析し、あるべき姿とのギャップ(問題点)と課題を確認。最後にその課題を解決する6つのアクションプランを提案しています。
 すべてのアクションプランは、①住民が愛着を持てる内容か?②住民がチャレンジできる内容か?③町のにぎわいにつながる内容か?―という3つの視点を背景に設計され、他地域の活性化の成功事例などの参考資料を含めパワーポイントで計42ページの資料となっています。
 加藤さんに資料作成にあたっての苦労などを、横道さんに成果物を受け取った感想などをお聞きしました。

加藤友貴さんへのインタビュー

Q1〉成果物を無事納品した際の率直な感想は?

 初めての経験だったのでまずはホッとしたのが率直な感想です。ただ、3か月間厳木町の多くの資産(ヒト・モノ・コト)に触れていく中で、厳木町のポテンシャルを生かしたアクションやPR手法が他にもあるのではないか?など、まだまだ伴走していきたいのが正直な感想です。

Q2〉成果物を作成するにあたって最も苦労したところは?

 これまで仕事として経験してきた領域(広告、プロモーションなど)を地域課題にどうアジャストしていくことができるかということと、何より横道さんの高い志を読み取ることでした。

Q3〉この成果物をどう活用してほしいか。またあらためて感じた厳木の魅力について教えてください

 まずは多くの人の意見を伺えたら嬉しいです。住民の方に興味を持っていただきワクワクしてもらえるのがアクションに向けた第一歩だと思っています。
 厳木の魅力は、狭い地域にも関わらず、(清流で知られる)厳木川をはじめ多くの資産があることです。余談ですが、厳木町民が集まる体育レクリエーション大会(運動会)に参加した時の「佐賀弁ラジオ体操」は最高の思い出になりました。
関係者で新たな観光資源となる旧酒蔵の片付け後に地産の新米のおにぎりをいただく(加藤さん提供)
関係者で新たな観光資源となる旧酒蔵の片付け後に地産の新米のおにぎりをいただく(加藤さん提供)

横道亨さんへのインタビュー

Q1〉成果物を受領した際の率直な思いについて教えてください

 3か月という短い期間で、2回の滞在を含めたくさんの地域資源(ヒト・モノ・コト・ワザ・ココロ)を見ていただきました。1つに絞った提案ではなく、多種多様なご提案をいただき驚きとワクワクが入り交じっています。今後も厳木と関わりたいと言ってくださったことで、私の中で加藤さんは明確に厳木の強力な関係人口になっていただけたと確信しております!
(関係人口という抽象的な言葉を、初めて具体的な個人として捉えることができたのは大きな成果です)

Q2〉この成果物をこれからどう生かしていくのかーなど今後の展望について。

また、横道さんがアピールしたい厳木の未来について教えてください

 厳木町のために提案してくださっているので、この成果物をたくさんの厳木町民の方に個別にご説明し、また大勢にお披露目できるような機会を創りたいと考えています。
(厳木駅に関係するご提案は、研修の初日に厳木駅でイベントを主催した松田さんを交えて年内に情報交換をしていく予定です)
国土交通省の事業「かわまちづくり」にも意見を伝えていきます!

唐津市 記者発表資料~プレスリリース

厳木町は、”にぎやかな過疎地域としてじわじわ盛り上がっていく町”です。

それは、4年前に東京から来てたくさんの地域資源を見つけてきて確信しています。
時間の問題です!そう信じて町づくりをしていきますので、応援よろしくお願いいたします!
旧酒蔵の前で関係者の記念写真(左奥から2人目が加藤友貴さん、右奥から2人目が横道亨さん:加藤さん提供)
旧酒蔵の前で関係者の記念写真(左奥から2人目が加藤友貴さん、右奥から2人目が横道亨さん:加藤さん提供)

編集長の目

 今回の提案書を拝読して感じたことは、ターゲット(あるべき姿)の設定から提案に至るまで、コンセプトと方向性、分析が明瞭で、一貫して住民とPRの視点があり、最終的に6つのアクションプランを提案するという、広告代理店の最前線で活躍するプロならではの提案書だということでした。また、加藤さんの当地への愛着が提案に大きな説得力を持たせています。地域外、専門家の視点に地域と住民への優しいまなざしが加わり、すべてのアクションプランが夢物語でなく実現の可能性が高い秀逸の成果物といえます。プラン実現に向けた横道さんと厳木町の活性化を目指す皆様の奮闘をお祈りします。
 当コラムが、全国で地域の情報発信を担当している自治体の担当部署や地域のリーダーの方たち、都市部から地方へ移住し、情報発信を担当したいと考えている読者の皆さまにとりまして参考になれば幸甚です。

(編集長)

加藤友貴さんと横道亨さんをご紹介します

 加藤友貴さん(49歳)は東京都在住。広告代理店に勤務しており、今回の研修は自分のスキルがどこまで役に立つか確認したいという思いがあり、研修に参加しました。
 今回の研修の依頼元であり受け入れ先の横道亨さん(35歳)は、4年前に東京から家族で厳木町に移住し、21〈令和3〉年から唐津市厳木市民センターで集落支援員として地域の活性化に奔走しています。横道さんの今回のオファーは、「厳木町には活性化のアイテムがそろっていますが、それを実現するプレーヤーが足りません。私が2年間の集落支援員の活動で見つけた厳木町のお宝(魅力)や白水荘プロジェクト(古民家を活用した新たな観光資源)について最大限お伝えし、1人でも厳木町のファンを獲得できるよう情報発信のお手伝いをお願いしたい」というものです。
厳木町の住民宅で野菜の収穫作業をする加藤さん(加藤さん提供)
厳木町の住民宅で野菜の収穫作業をする加藤さん(加藤さん提供)

成果物の提出と概要

今回の研修では終了3か月後に成果物を提出することが予定されており、加藤さんは計8回のミーテイングと現地研修を含めた2泊3日X2回の現地滞在を通じて収集した厳木町の資源や魅力を整理し、地域のにぎわいを図る提案書を横道さんに提出しました。
 提案書ではまず、横道さんの『すべては地域住民のために』というコンセプトを基にあるべき理想の姿を設定。次に厳木町の現状(人、物、事、場所、体験)を分析し、あるべき姿とのギャップ(問題点)と課題を確認。最後にその課題を解決する6つのアクションプランを提案しています。
 すべてのアクションプランは、①住民が愛着を持てる内容か?②住民がチャレンジできる内容か?③町のにぎわいにつながる内容か?―という3つの視点を背景に設計され、他地域の活性化の成功事例などの参考資料を含めパワーポイントで計42ページの資料となっています。
 加藤さんに資料作成にあたっての苦労などを、横道さんに成果物を受け取った感想などをお聞きしました。

加藤友貴さんへのインタビュー

Q1〉成果物を無事納品した際の率直な感想は?

 初めての経験だったのでまずはホッとしたのが率直な感想です。ただ、3か月間厳木町の多くの資産(ヒト・モノ・コト)に触れていく中で、厳木町のポテンシャルを生かしたアクションやPR手法が他にもあるのではないか?など、まだまだ伴走していきたいのが正直な感想です。

Q2〉成果物を作成するにあたって最も苦労したところは?

 これまで仕事として経験してきた領域(広告、プロモーションなど)を地域課題にどうアジャストしていくことができるかということと、何より横道さんの高い志を読み取ることでした。

Q3〉この成果物をどう活用してほしいか。またあらためて感じた厳木の魅力について教えてください

 まずは多くの人の意見を伺えたら嬉しいです。住民の方に興味を持っていただきワクワクしてもらえるのがアクションに向けた第一歩だと思っています。
 厳木の魅力は、狭い地域にも関わらず、(清流で知られる)厳木川をはじめ多くの資産があることです。余談ですが、厳木町民が集まる体育レクリエーション大会(運動会)に参加した時の「佐賀弁ラジオ体操」は最高の思い出になりました。
関係者で新たな観光資源となる旧酒蔵の片付け後に地産の新米のおにぎりをいただく(加藤さん提供)
関係者で新たな観光資源となる旧酒蔵の片付け後に地産の新米のおにぎりをいただく(加藤さん提供)

横道亨さんへのインタビュー

Q1〉成果物を受領した際の率直な思いについて教えてください

 3か月という短い期間で、2回の滞在を含めたくさんの地域資源(ヒト・モノ・コト・ワザ・ココロ)を見ていただきました。1つに絞った提案ではなく、多種多様なご提案をいただき驚きとワクワクが入り交じっています。今後も厳木と関わりたいと言ってくださったことで、私の中で加藤さんは明確に厳木の強力な関係人口になっていただけたと確信しております!
(関係人口という抽象的な言葉を、初めて具体的な個人として捉えることができたのは大きな成果です)

Q2〉この成果物をこれからどう生かしていくのかーなど今後の展望について。

また、横道さんがアピールしたい厳木の未来について教えてください

 厳木町のために提案してくださっているので、この成果物をたくさんの厳木町民の方に個別にご説明し、また大勢にお披露目できるような機会を創りたいと考えています。
(厳木駅に関係するご提案は、研修の初日に厳木駅でイベントを主催した松田さんを交えて年内に情報交換をしていく予定です)
国土交通省の事業「かわまちづくり」にも意見を伝えていきます!

唐津市 記者発表資料~プレスリリース

厳木町は、”にぎやかな過疎地域としてじわじわ盛り上がっていく町”です。
それは、4年前に東京から来てたくさんの地域資源を見つけてきて確信しています。
時間の問題です!そう信じて町づくりをしていきますので、応援よろしくお願いいたします!
旧酒蔵の前で関係者の記念写真(左奥から2人目が加藤友貴さん、右奥から2人目が横道亨さん:加藤さん提供)
旧酒蔵の前で関係者の記念写真(左奥から2人目が加藤友貴さん、右奥から2人目が横道亨さん:加藤さん提供)

編集長の目

 今回の提案書を拝読して感じたことは、ターゲット(あるべき姿)の設定から提案に至るまで、コンセプトと方向性、分析が明瞭で、一貫して住民とPRの視点があり、最終的に6つのアクションプランを提案するという、広告代理店の最前線で活躍するプロならではの提案書だということでした。また、加藤さんの当地への愛着が提案に大きな説得力を持たせています。地域外、専門家の視点に地域と住民への優しいまなざしが加わり、すべてのアクションプランが夢物語でなく実現の可能性が高い秀逸の成果物といえます。プラン実現に向けた横道さんと厳木町の活性化を目指す皆様の奮闘をお祈りします。
 当コラムが、全国で地域の情報発信を担当している自治体の担当部署や地域のリーダーの方たち、都市部から地方へ移住し、情報発信を担当したいと考えている読者の皆さまにとりまして参考になれば幸甚です。

(編集長)