佐賀県唐津市は、県北西部に位置し、人口は約11万人。太平洋側気候で玄界灘に面し、リアス式海岸などの地理的特徴から、古代より大陸方面に向けた海上交通の拠点だった。現在の唐津市は、2005(平成17)年に東松浦郡の呼子町、鎮西町、肥前町、相知町、厳木町、浜玉町の6町と北波多村の1村と合併して新たに誕生した(翌年には七山村が編入)。
厳木町のお宝を発信 地域ににぎわいを
厳木のお宝めぐり
地元文化遺産の厳木駅舎で土曜夜市
厳木高校の取り組み 地域との連携
研修生からの「学校のPTAや地域にはいろいろな専門分野を持っている人も多いはずで、こうした人材を外部講師とする授業は面白いのでは。厳木高校から『こういう講師を求めます』という情報発信をSNSでしたらどうでしょうか」との提案に対して、山口校長は、「現在県内外で生徒を募集できるようになったので、そういう授業があるといいPRになるかもしれませんね」と笑顔で答えた。同校はスポーツも盛んで、プロ野球横浜DeNAベイスターズの宮﨑敏郎内野手、吉川輝昭元投手、シドニー五輪アーチェリー日本代表の牧山雅文選手を輩出している。
天空のエリアフィッシング「フィッシングパーク平之」
フィッシングパーク平之を経営している米丸知成さんは、福岡県から昨年厳木町に移住した。小学校の教員をしていたが、釣りが好きで1人の客として前身の管理釣り場に通い地域の人と交流していくうちに運営の手伝いをするようになり、前オーナーから譲り受けた。研修生は、米丸さんから移住を決めた思いや厳木町の魅力について聞いた。
道の駅厳木「風のふるさと館」
唐津焼窯元を訪ねる
「きゅうらぎ温泉佐用姫の湯」 日本三大悲恋の一つ佐用姫伝説
万葉集で山上憶良にも歌われた松浦佐用姫の伝説は日本三大悲恋の一つで、佐用姫は厳木の豪族の娘と伝えられる。町内には佐用姫の名を借りた「きゅうらぎ温泉佐用姫の湯」がある。泉質は単純アルカリ泉で、効能は疲労回復や美肌効果。岩盤浴やサウナ、家族風呂、レストランもある。料金は大人1人500円(午後5時から450円)とリーズナブル。
白水荘プロジェクト
有馬さんは東京で彫金のデザイナーを務めた後、15年前に実家のかやぶきの母屋で工房「花鏨(たがね)」をオープンし、象眼など金銀細工の彫金家として多数の作品を生み出している。九州では彫金家は希少で、有馬さん自身も地域の宝である。
有馬さんは、「唐津市内にはここを含めかやぶきの家屋は2軒しかなくとても貴重ですが、個人で維持していくのは難しい。屋根のふき替えは専門の技術が必要でその継承のためにも残していかなければいけません。旧酒蔵は、江戸時代から営んだ酒造業の遺物を生かし再生したい。佐用姫の湯や道の駅など近隣の観光資源と連携し、町の内外から多くの人がやってくるような所にしたい」と熱く語った。
寺カフェ「花の坊」 寺院にある癒やしの空間
情報発信に向けて
研修生は、今回の研修を通じて収集した白水荘をはじめとする厳木町の資源や魅力を整理し、研修の3カ月後に情報発信を開始する。
加藤 友貴さん(49歳) 東京都在住
- 研修に参加した経緯を教えてください。
―仕事で九州に来ることもあり土地に親和性がありました。また、自分のスキルがどこまで役に立つか確認したいという思いがあり研修に参加しました。
- 研修に参加した印象はいかがですか?
―いろいろな方と会え、話を聞くことができてよかったです。当初(厳木に)持っていたイメージとは違う発見ができてよかった。
- 今後の展開について。